かぴです。
聖徳太子にはたくさんの逸話があります。10人の声を一度に聞いただの、空を飛んで瞬間移動しただの。
中には、このようなものもあります。
1、聖徳太子の母・穴穂部間人皇女が懐妊時、夢の中に観音様が現れて「あなたのお腹をお借りしたい」と言った。穴穂部間人皇女はこれを承諾したため、観音は口から胎内に入った。
2、宮中の馬小屋の前で生まれ、「厩戸皇子」という名前になった。
3、生まれてすぐに言葉を話し、聖人のような知恵を持っていた。
4、未来を予言して的中させた。
もうピンときた方もいると思いますが…似たような逸話を、世界的に有名な某宗教の人々も持っているのですよね。今回はそれをご紹介します。
これらの逸話、某宗教の人々とソックリ
1、聖徳太子の母が懐妊時、夢の中に観音様が現れて「あなたのお腹をお借りしたい」と言い、口の中から胎内に入ってきた
これによく似た逸話を持つ某宗教の人って、一体誰でしょうか?
………
はい、キリスト教の開祖・イエス=キリスト、仏教の開祖・ブッダです。
イエス=キリストの方の逸話は以下の通り。
イエスの母・マリアの元に大天使ガブリエルが現れ、こう告げた。「おめでとう、恵まれた方。主(神)があなたと共におられる。」マリアはこの言葉に戸惑って考えこんだ。すると、天使は言った。「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい。その子は偉大な人になり、とても高き方の子と言われる。」
―マリアはこれを受け入れ、処女でありながら子を身ごもった。
一方、ブッダは以下の通り。(※いくつもあるので、そのうち一例のみご紹介)
ブッダ(シッダールタ)懐妊時、母のマヤ王妃は、黄金山に住む牙が6本ある小さな白象が、脇から胎内に入っていく夢を見た。この話を占い師に相談したところ、「あなたはこの世界を支配するか、そうでなければ世界を救うことになる男子を生むだろう」と言われた。
実はこの白象とは釈迦如来が輪廻転生の末に兜率天から象の姿で天下りしたものだった。
イエス・ブッダと聖徳太子の大きな共通点は、『①妊娠時に、母の胎内に神(またはそれに準じる存在)がやってきたこと』『②神に近いような特別な人物が生まれることを告知されること』です。
2、宮中の馬小屋で生まれ、「厩戸皇子」という名前になった。
これによく似た逸話を持つ某宗教の人って、一体誰でしょうか?
………
はい、キリスト教の開祖・イエス=キリストです。
紀元前6~4年くらいに、イエス=キリストが母・マリアによって生み落とされました。彼が生まれた場所は、馬小屋(家畜小屋)だったと言われています。
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マリアは、婚約者のヨゼフとの旅の途中で宿泊したかったが宿が空いておらず、仕方なく馬小屋の中に一泊させてもらい、しかしそこで産気づきその翌早朝にイエスを生みました。
一方で聖徳太子はというと、皇子なのでもちろん出産のための準備は行われていたはずですが、母の穴穂部間人皇女が宮中を散歩中、馬小屋の前で産気づいて生まれました。
…馬小屋の前で産気づいたとしても、お付きの人もいただろうしもっといい場所に移動することくらいできたはずですが、それも叶わずその場で生まれてしまうなんて超ハイスピードな安産です。
3、生まれてすぐに言葉を話し、聖人のような知恵を持っていた。
これによく似た逸話を持つ某宗教の人って、一体誰でしょうか?
………
はい、仏教の開祖・ブッダです。
ブッダことゴーダマ=シッダールタは、生まれた直後に歩き、天と地をそれぞれ指さしながら「天上天下唯我独尊」(天にも地にもただ1人だけの、代わりはいない人間として、何を加えなくてもただこの命のままであることが尊い)と話したと言われています。
一方聖徳太子は、私が調べたところだと「生まれてすぐにしゃべった」としか情報がありませんが、「聖人のような知恵を持っていた」とされるので、ブッダのように悟りの境地に達したようなことを言ったと推測されます。
4、未来を予言して的中させた。
これによく似た逸話を持つ某宗教の人って、一体誰でしょうか?
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はい、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の重要人物・モーセです。
モーセは、イスラエル人がエジプトを出てカナンの地に達すること(のちに達成)や、のちの世に救世主(※キリスト教の解釈ではイエス=キリストだが、ユダヤ教・イスラム教の解釈ではイエスだけではない複数の人物を指す。)が現れることを予言しました。有言実行とばかりに実現に至っています。
聖徳太子は、「未来記」という史料の中で、承久の乱や朝廷の敗北、平家の没落、武家政権の到来などを予言しているそうです。
まとめ
各宗教の人物たちは聖徳太子が生きた時代よりも何百年も前の人物たちであります。彼らの物語がいつ日本に伝わったかは定かではありませんが、遣隋使や遣唐使を通して、少なくとも聖武天皇(701年生まれ)が正倉院を建てた頃には物品と共に確実に伝わっていたと考えられます。一方、中央集権国家の樹立のために”聖徳太子”という皇室のスーパーマン伝説を作り上げた可能性が高いといわれる天武天皇は、686年没の人物ですので、年代的には天武天皇や藤原不比等らはまだ日本で知る人が極わずかだったであろう海外の聖人らの伝説を”聖徳太子”の伝説の元ネタにした、と考えても何の矛盾もないと思います。
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