かぴです。
諏訪の歴史を全部書くとえらいことになるので、敢えて原点の「縄文時代」の様子をご紹介したいと思います。
タイトルの「星くそ」とは何のことなのかも、記事を読んでいただければわかると思います。
「星くそ」が大人気だった諏訪周辺の地域
諏訪に人が住み始めたのはいつ?
日本神話によれば神代には人がいた…とありますが、現実としては、少なくとも縄文時代には諏訪には人が住み着いていたようです。その証拠として、縄文遺跡が発掘され多数の土器や道具が見つかっていたり、諏訪の近くの茅野市というところでは歴史の教科書に必ずと言っていいほど掲載されている有名な「縄文のヴィーナス」が発掘されたりと、ごくわずかの集団ではなくたくさんの集団が住み着いていたことが予測されます。
当時、全国の人が欲しがった「星くそ」の一大産地
諏訪より北東方面の地域では「星くそ」と呼ばれる物体が大量に産出されていました。
今残る有名な産地跡が「星ヶ塔遺跡」と呼ばれ、このエリアでは実に193か所もの産出地があったようです。また、「星糞峠」なる峠もあります。
ちなみに現代も、この周辺地域に行くと「星くそ」はゴロゴロしています。
諏訪より北東の地域で採れる「星くそ」は当時ブランド物になって流通していました。なぜそれが分かるかというと、北海道から東海にかけて、全国各地でこの「星くそ」が出土しているからです。出土した場所の近くに、同じように星くそを産出できる場所があるにも関わらず、です。これは、当時の人々が、諏訪より北東の地域の「星くそ」を特別欲したことの証明になります。
「星くそ」っていったい何?
さて、この「星くそ」とは、一体何なのか。
ずばり、「黒曜石」です。
別名「天然のガラス」と呼ばれるほど薄く鋭く割れやすい特徴から、当時は矢じりやナイフなどに加工して使うことが多かった、あの岩石です。
「キラキラ輝く星の欠片が降り積もってできた」と言われていることから、「星くそ」と呼ばれています。
なぜ、みんな欲しがったの?
なぜ、諏訪周辺で採れる黒曜石が、全国の人々から欲されてブランド化していたかというと、理由はずばり、「透明度が高くて綺麗」だからです。
他の地域の黒曜石は、色が真っ黒だったり、他の石などの不純物が多かったりして、見た目があまり良くないことも多いそうです。一方諏訪周辺の黒曜石は、不純物が少ないため透明度が高くて、加工もしやすいんだそう。
近年の研究で、縄文人はアクセサリーをつけたり柄のついた衣服を着ていたりと、結構オシャレであったことが分かってきていますから、透明度が高くて綺麗な黒曜石は「オシャレさんの定番アイテム」となっていた可能性もあります。
まとめ
黒曜石のことばかり書いてしまいましたが、諏訪近辺なら山だらけで湖もあるため、食べ物が採りやすく水の確保も容易なため、寒さはネックですが比較的住みやすい環境だったのではと推察されます。物々交換する場合も、黒曜石という高需要品を持っているので強いですね。
アニメ「逃げ上手の若君」3話では、巨大な黒曜石が登場していましたが、実際はあんな巨大な塊は存在しないでしょう。亜矢子が石で割って鋭くしたので「神の刃」と化しましたが、自然界の黒曜石は角が取れた黒い石が多数土に埋まっている感じです。
現在、黒曜石をテーマに扱ったミュージアム等が複数作られ、近年リニューアルされてキレイな施設になっていますので、興味のある方は行ってみると楽しいと思います。
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