長野県について② 長野の夏休み

かぴです。

 送り火が焚かれ、お盆が終わりますね。

 お盆が終わる=長野県の子どもたちにとっては「夏休みが間もなく終わる」。です。

 長野県の子どもにとって呪詛の時期が始まります…。

 かぴは、この長野県の夏休みについて「見直すべき」と思っています。それについて書きます。

長野県の子どもの呪詛とは…「長野県は、夏休みが短い」!

 「長野県は夏休みが短い」って、ちょっと有名な話なんですよね。夏休みが短い影響で、長野県の登校日数は、昔から全国一多いんだそうです。

 <7月中旬>

 全国放送『夏休みが始まりました。』→長野っ子「まだ始まってないよ?(あと1週間先)。」

 <8月末>

 全国放送『夏休みが終わります。』→長野っ子「もう(2週間近く前に)、とっくに終わってるよ。。。」

 こんな調子で、友達と愚痴ってた覚えがあります。(今は、県ごとに夏休みの長さが違うことを配慮してか、全国放送でこんなにハッキリと報道することはなくなったと感じていますが。)

 小学校でおなじみの宿題「夏休み帳」も、すべてやろうとしたら1日に何ページも頑張らなければ終わらない量があるし(もちろん自由研究や工作などの課題も別途ある)、夏休み前に書く夏休み帳の計画表の日数欄も、自分の夏休みの日数よりかなり多かった覚えがあります。小学生の頃は、違和感を感じながらも何とか夏休み帳をやっつけていました。結局、なかなか計画通りにはいかず、夏休み終了3日前くらいになってもまだ終わらず、ヒィヒィ言いながらやるはめになっていました。

 実際、(もちろん県ごとで違いはありますが)他県と比べると、長野県の夏休みは1~3週間程度短く設定されています。

長野県の夏休みが短いということを知らない他県の方にこのことを話すと、

「あ、涼しいからですか?」「冬が厳しいから、冬休みが長いんですか?」

と、高確率で言われます。

長野県、気温30℃は余裕で上回ってますし、冬休みの長さは他県と変わりません。

では、なぜ短いのか。主な理由は次の3つ。

長野県の夏休みが短い理由3つ

①昔、「中間休み」「寒中休み」という別枠の休みがあったから。

②標高が高いので「夏は涼しい」イメージがある。

③春休みが他県より少し長いから。

①昔、「中間休み」「寒中休み」という別枠の休みがあったから。

中間休み稲刈りの時期(10月~11月)の5日程度の休日
寒中休み真冬の時期(1月~2月)の5日程度の休日
つまり合計10日ほどの休日!

 上の休みが、「夏休み」「冬休み」「春休み」以外に設けられていました。しかし今はもう廃止している学校がほとんどだと思います。

②標高が高いので「夏は涼しい」イメージがある。

 ローカルニュースのインタビューにて、他県から来た観光客が、「涼しいと思ってたのに普通に暑い」と汗をぬぐっているところを見ました。長野県は全国的に見ても標高が高い地域で、涼しいという”イメージ”が持たれています。何なら長野県民も「他県よりは涼しいはず」というイメージを持っている人は多いです(だから暑いのに我慢して、クーラーなしって家も少なくない)。先人たちが、冬休みでも、春休みでもなく、夏休みを短くしたのはこの辺も影響がないとは言えないでしょう。

 確かに「高原」と名のつくところや山の上、軽井沢などの一部地域は、昼も爽やかな風が吹きます。しかしながら、「高原」や「山」でないところや、大部分の地域は、暑さは他県とあまり変わらず蒸し暑いです。この夏だって普通に35℃以上いく日も、地域も多いです。強いて言えば、朝夕は涼しめなのかな?と思います。でも蒸す時は蒸す。熱帯夜も普通にある。

 だから、実際は「長野県≠涼しい」です。

③春休みが他県より少し長いから。

 愛知県で教員をしている友人から聞いて知った話ですが、長野県は他県より春休みが少し長いようです。

 長野県は3月中旬~4月初旬まで。私が知るところでは、東海地方だけでなく関東地方も、3月下旬~4月初旬まで。

 他の多くの都道府県より、長野県の方が1~2週間ほど長い。

「長野県の夏休みが短い」…これからは?

①の「中間休み」「寒中休み」があった頃の方が、全国平均とバランスが取れていると思いますし、子どもながらに納得していたものでした。廃止されたときに「じゃあ、夏休みが増えるのかな」と期待していたのですが、何故か夏休みも、冬休みも、春休みも長さは変わらずで、疑問を持ったまま大人になってしまいました。

 私の周囲の長野県民に聞いても、「夏休みが短いのは嫌だったよねー」「長野県も普通に暑いのに、なんで伸ばさないんだろうね?」という人ばかりで、「夏休みが短いのが良かった」という人はごく稀に感じます。(親になった人たちは、短い方が良い!って人が増えますけどね^^;)

 アンケートを取れば、長野県の夏休みについて疑問を感じているという人は、結構な数集まるのではないかと思いますし、既に教育委員会とか知事とか、偉いところにもそういう意見は上がっているはず。

 …と思ったら、長野県教育委員会の回答がありました。(長野県公式HP「長野県の学校はどうして夏休みが短いのですか

 要約すれば、「長野県は、登山や運動会、児童会活動などの行事に力を入れており、その時間確保のため」ということでした。この回答では各自治体で最終判断、としていますし、長野県教育委員会としては夏休みの長さについてどうこうするつもりは無さそうです。

 でも、「行事の準備や運営」で、10日間×6時間=60時間もの時間が必要なのかな?とも思います。コロナ禍も手伝って、行事自体、昔に比べれば縮小傾向ですしね。(例えば、運動会を1日ではなく半日開催、とか。)

 行事だけじゃないよ、勉強も頑張っているよ!という声も聞こえてきそうです。その頑張りはもちろん認めます。しかし残念ながら、登校日数の多さが学力に直結するわけではないのは明らかなようです。(引用・47NEWS)

夏休みについて、思うこと

 雪で制限される冬休み、年次の切り替えで色々忙しい春休みと違い、夏休みは、「旅行に行きやすい」「海や川、湖のアクティビティを思う存分楽しめる」「親戚が集まりやすい」など、特別な期間だと思います。「夏休みの思い出」というのは一生の宝物になります。学校の外でしか体験できないこともたくさんあります。その宝物を得られる期間である「夏休みが短かった」という事実は、大人になってもなんだか悔しく感じてしまいます。

 行事が大事なのはわかりますが、運動会の練習やら歌の練習やら、年間約60時間も必要でしょうか。教育委員会の回答には「児童生徒が主体的に活躍できる活動」と書いてありますが、子ども全員が「先生、練習したい!」と言って練習時間をすべて主体的に決められるとは考えづらいです。実際、練習の時間を決めるのは多くの場合教員でしょう。善かれと思って設定した結果、練習が多いと子どもは嫌になっちゃいます。(私はそうでした。先生に指示されて、歌の練習に運動会で披露するダンスの練習など、毎日、1日に何度もやった覚えがありますが、うまくできなくて笑われたり、一生懸命やった結果怒られたりしながら何時間も頑張って練習したわりに、発表自体は10分程度で終わるし。あまり好きではなかったなぁ。)

 あと、個人的な感情ですが…長野県って、東京とか愛知などの都会や隣県から、たくさん観光客が来るではないですか。自分たちが登下校しているときや、授業で外に出たときに、同年代の子たちが観光に来て遊んでいる姿を見てしまうと、正直辛かった。

 「家にいて楽しい思いができる子どもばかりではない」というのは承知していますが、そういう子どもたちをフォローする場が、昔よりも今は増えてきていると思います。学童保育であったり、公立図書館であったり、NPO法人であったり。オンラインで繋がることもできますしね。少し冷たいかもしれませんが、一部の子どもたちに全体が合わせる必要は、昔よりも無くなってきているのではないか、と思います。

 結論、「長野県も、夏休みは全国並みの長さにしていいのでは」、というのが私の意見です。

 もし、夏休みの長さを変える方針にするならば、横並びが好きな日本人ですから、「各自治体の判断」と言っている間は変わりません。自治体独自の判断で休みを伸ばしたとしても、「何であの町の学校はこうなのに、こっちの町はこうなんだ!」と、クレームを入れる人がいるでしょうしね。長野県教育委員会が”方針”として出さないと、変わらないと思います。

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