高野連に思うこと

かぴです。

先に言っておきますが、かぴは高野連について良い印象を持っていません。高野連が好きな方はバックしてくださいね。

高校野球の試合がテレビで中継されますが、その中で、審判がWBCの「ペッパーミルパフォーマンス」を行った高校に指導を入れたことが話題になっていました。

高野連「不要なパフォーマンス」 ペッパーミル注意で見解 センバツ

これを聞いたとき、私は「相手チームのエラーによって生まれたチャンスでペッパーミル(=粘り強くやろう)なら、それは指導入るよね。」と思いました。スポーツマンシップに反しますからね。

しかし、高野連の声明では、「高校野球としては、不要なパフォーマンスやジェスチャーは、従来より慎むようお願いしてきた。試合を楽しみたいという選手の気持ちは理解できるが、プレーで楽しんでほしい」「今回は『ペッパーミル・パフォーマンス』だったが、ふだんから派手すぎるガッツポーズなどには審判や大会側から注意をしている。エラーで出塁したかどうかは関係ない」とのこと。ちなみに「不要なパフォーマンス」とは、明確な基準はないものの、「プレーに直接関係ないことや自然に出るガッツポーズを逸脱した行為などが対象になる」だそうです。

つまり、高野連としての「ペッパーミルがダメ」の理由は、私が考えた「相手のエラーがどう」ではなく、「粛々と野球に打ち込むような、高野連が望む球児の姿ではなかったから」「パフォーマンスが相手チームへの失礼・トラブルになることを防ぎたかったから」ということであるようです。

このあたり、旧態依然の古い学校の考え方だよなー、と思ってしまいました。

ブラック校則の改善が叫ばれて久しいですが、「校則」って、過去に何かやらかした人がいたか、予防線を張った末にできたものだったりします。

「学校にハサミやカッターは持って来てはいけない」→「過去にそれで人を傷つけた例があるため。」

「下着の色は指定された色に限る」→「黒とかだと透けやすく、性被害につながりかねないため。」

といった具合。

そういえば、コート云々のニュースもありましたね。これは非常にまずいと思います。「その場所に応じた服装を選べるようになること」も教育の一環なんだから、寒い日に防寒着としてコートを着ていくことはむしろ「当たり前」だし、「そうだよね!よく選べたね!」ってほめても良いくらいだと思います。

上の記事の内山良先生も「90年代の学校が荒れていた時代にできた校則がそのまま残っている」と言っていますが、まさに旧態依然の古い学校の考え方から思考停止している状態なんですよね。私も、なぜコートがダメなんて校則ができたかを考えてみると、昔めちゃくちゃ派手なコートを着てきた生徒たちがいて学校の風紀が乱れたとか、地域から苦情が来たとか、そのあたりなのではないか、と思います。

しかしながら…今の学生って、もちろん色々な子がいますが、昔のようなヤンチャする生徒はおらず、大人しくて真面目な子が多いと実感しています。むしろ、尾崎豊の「15の夜」の歌詞に出てくるワードは「引くわー」「ないわー」という感想を抱くし、「ヤンチャ(社会や大人に反抗する俺らカッコイイ)」=「まわりに迷惑かけて喜ぶのはダサい」と冷めた目で見る、みたいな感じですね。感情より、合理性を大事にする子が多くなった印象です。明らかに時代が変わり、生徒の様子も変わった。時代が変わったなら、決まりも変えていくべきなんです。

しかしながら、校則を変えるとなると、必ず教員や地域から反対勢力が出るので、なかなか変わらないんですよね。

・・・と、話が逸れました。高野連の話に戻します。

とにかく、高野連は「考え方が古くさいなぁ」「いちいち世間の批判にさらされないと変わらないのかぁ」と思ってしまいます。

数年前にも、「甲子園にて、女子マネが補助のためにグラウンドに出たら注意を受けてベンチに返された」というニュースがありました。この理由は「甲子園グラウンドに入れるのは男子のみという決まりがある」=「男子スポーツの場に女子が出てくると危ないから」ということだそうですが、「男子」「女子」ってくくりで決めているのがそもそもおかしいと思う。

「経験豊富でボールのキャッチが上手な女子」「初心者でボールのキャッチが下手な男子」がいた場合、グラウンドに出て危ないのはどちらかというと「初心者の男子」ですよね。だけど、この場合も男子はOK、女子はダメ、となるのです。「体力に性差があるから、差別ではなく区別だ」という論も分かりますが、そうはいっても、女子の体をひ弱に見すぎだろうと思います。格闘技なら圧倒的に筋力の差がどうしても出るので分かりますが、野球は、パワーでは劣っても技術力、守備力などである程度カバーできる競技だと思うのです。全国には男子だらけの野球部に入り、男子顔負けの活躍をする女子選手たちがいるようですが、その生徒たちも今の決まりだと、本人や監督、チームメイトが望んでも、一緒に甲子園で活躍することはできないんですよね。「女子に生まれた」っていう、本人にはどうしようもない理由で。「男子は良いけど女子はダメ」。問答無用でこのルールを通すのは時代に合わない。性別じゃなくて競技経験の有無を軸に決めるべきだと思います。試合に実際に出すかどうかは、監督が決めるで十分ではないか、と思うのですが…。

2022年からやっと女子も補助やボールガールとしてグラウンドに入れるようになったようですが、今更、と思いますし、ルールが本当に今の時代に合ってないなぁと思います。

今回の「ペッパーミルパフォーマンス」もそう。

恐らく全国の球児たちが憧れているであろう、日本代表チームのパフォーマンスですよ。そりゃマネしたくなるし、やっていいと思いますよね。今回の高野連の対応って、「大人は良いけど高校生はダメ」っていう、高校生からしたらよくわからない指導だったと思います。

私の思うところですが、「プレーで楽しんでほしい」というなら、喜びの表現くらい許容してやれよ、と思います。もちろん、舌出しとか中指立てるとか、明らかに相手をバカにするようなパフォーマンスはダメですよ。一瞬のガッツポーズとか、万歳とか、自分たちの嬉しい感情を表す行為って、誰かの迷惑にも試合の妨げにもならないと思うし、むしろ素直にそういう表現をした方が高校生らしいと思うんですけどね。

(ちなみに、かぴは、試合中にガッツポーズをしたら即負けになる競技=剣道の三段を持っています。剣道では、試合中のガッツポーズは相手への礼儀を失するということでそういうルールになっています。もちろん疑問視する声はありますが、剣道は元々命のやり取りに関わる技術から派生したものだし、チーム戦とは違い相手が戦ってくれなかったら自分も戦えない一対一の試合ですから、他の競技よりも相手を尊重する色が強い。これは仕方ないかな、と思っています。)

全国で問題になっている「部活動の地域移行」にも口を出してくるし、他の部活と違ってメディアが大々的に取り上げ、プロ野球チームが目をギラつかせる「全国高校野球選手権」の運営で利権が絡んでいる印象で、高野連って元々好きではなかったのですが、今回の一件で「やっぱり好きになれない」と思いました。

「野球人口が減っている」と嘆くなら、まず「高野連が決めたルールを見返してみたら?」と思います。

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